2000年10月26日〜11月16日に実施された、サンフランシスコNPOボランティア体験プログラム参加者の感想です。プログラム実施中、参加者の方々に毎週提出していただいた「体験ジャーナル」より参加者一部の声を以下にご紹介いたします。なお、このジャーナルは正式な報告書ではございませんので、参加者の方々のお名前は記載していないことをお断りいたします。
10/26-10/29の体験ジャーナル
26日、バンクーバ経由にてアメリカに入国する。はじめてのアメリカ。サンフランシスコはあいにくの雨・・・。空港で迷ってしまい慌てたが、出迎えの方と会えてひと安心。人種の多さには驚いた!(当たり前のことだが)
ミーティングでこれから一緒に行動する人達と会い、自己紹介すると、すでにNPO関連に携わっている人ばかりで、「私は大丈夫だろうか…」と不安になるー。機内で一睡もできず、歓迎会の頃には時差ぼけで眠い!バークレイ周辺を歩くと、至る所にNPOが存在していた。
週末は、参加者の吉田さん、島さんと共に、サンフランシスコへ行き、観光。翌日はナパ・ワイナリー見学へ行く。
楽しい仲間と親切なスタッフの方々とめぐり会えて今後の活動が楽しみ!!
(団体職員・20代女性)
10/26-11/2の体験ジャーナル
サンフランシスコ・ベイ・エリアのNPO視察の入門編として、大変有意義な1週間でした。前半は、柏木さんや石さんの講義漬けとなりましたが、アメリカで、NPOが大きく発展している要因は、アメリカ国民の高い社会貢献、相互扶助意識もさることながら、アメリカ社会のシステムそのものにもあるのではないか、とかねがね考えていた私にとりましては、アメリカ社会のNPOをめぐる環境を総括的に取り上げてくださった柏木さん、移民マイノリティ、多文化社会という切り口でアメリカ社会を紹介してくださって石さん、それぞれの講義を大変興味深く受けることができました。
ウォーキングツアーやNPO訪問など、幾つかのNPOを訪れましたが、こういった前提の知識がなければ、なかなかそれぞれのミッションや活動の内容を理解することは難しかったのではないかと思います。訪問したNPOはいずれも、しっかりと事業を行っていて、その事業性の高さ、マネージメントのレベルの高さがうかがわれました。ちょっと、思ったのは、なんというか、もうちょっと上手くいってないNPOも見てみたかったかなと。まあ、私がもう少し会話能力があって、理事の人にでも上手く話を聞けたら、苦労話なんてざくざく出てくるんでしょうけれども。
いずれにしろ、普通の海外旅行ではなかなか経験できないことばかり。バークレーの街並みや、SF、カストロストリートのハロウィーンなど、いわゆる観光名所と呼ばれているところも、また違った視点で眺められて得した気分です。
(公務員・男性)
10/30-11/5の体験ジャーナル
今週より、本格的にセミナー&ボランティア活動が始まった。NPOに関して全くの不勉強で、学ぶことの多い一週間であった。バークレイ、オークランドとウォ−キングツアーをしてまず驚いたのは、あらゆる分野のNPOが至る所に存在し、身近にボランティアのできる環境であること。実際に、FOOD
BANK, TIBETAN AID PROJECTでボランティア活動をしてみると、ボランティアを受け入れる体制がしっかりしており、また、そこで活動している人々のボランティアに対する意識の強さを感じることができた。
私の勤める保育園も、同じNPOであるが、営利ばかりが重視され(少なくともウチは…)、私も含め、職員も、そういった意識がないように思える。今後は、より専門性を高め、あらゆるニーズに応えられる保育者を目指したい!
週末は、1泊2日で、ヨセミテ国立公園に行き、広大な自然に感動するばかりであった。刻々と変化する景色を眺めていると、心が洗われるようだった。
(団体職員・20代女性)
◆第1週目
第1週目を終え、"NPO"がこのアメリカ西海岸で、なぜ生まれ、活動されてきたのかという事を学んだ。自分の勉強不足で、理解できない部分もあり、ディスカッションにまでたどりつけなかった事が残念でした。多民族から成る歴史を通
して生まれて出たNPOを今まで単一民族であった日本がそれを取り入れる事は難しい事ではあるが、新しい「意識改革」というものは、これから取り入れるべきであると私は思う。
実際私も、ボランティアというものには、以前から興味があったが、接する機会がなく、今に至ってしまった。どのように参加すればいいのか、参加するにも入りづらい"イメージ"があった。経験があれば、入りやすかったのではないかと思う。義務という教え方ではなく、それを教育を通
していかに個人に"自分の利益のため"という素直な気持ちで取り入れられたら、すばらしい事なのになとしみじみ感じた。
今回、幅広く、様々な種のボランティアに参加できるので楽しみである。この1週目の経験を生かして、また、2週目のステップアップとしていきたい。
(元会社員・20代女性)
◆第2週目
先週以上に、一週間があっというまでした。そして、今週のどのプログラムにおいても、先週の学びとリンクする部分があり、生かす事ができているようで楽しめました。
ボランティア活動もどこかしら面白い特徴があって、おそうじならあのカンボジア人のおじさんとの出会いや、スープキッチンを訪れる人々などを通
して、ベイエリアの特殊性をより感じることができたように思います。
そして最終日のディスカッション!インターンのみなさんの話を聞いていると本当にはげまされました。
私にとって、このプログラムの参加動機の最大のものは、人生を見つけることだったんですが、まあ見つけられたとまではいかなくても、だいぶ道が絞られたのではないかと思います。だから、今はすごく充実しています。サンフランシスコ大好き。
(大学生・20代女性)
今週はプログラム最後の週である。City of Oakland Public Works Agencyと、St. Andrew/St.
Joseph Soup Kitchen (のボランティア活動)には非常に感銘を受けた。言葉でうまく説明するのは難しいが、ホームレスの人々や(その地域の)住民の暮らしを感じとることができた。良い経験をしたと思っている。
ここに来る前、僕は「3週間は長いかも」と考えていたが、実際はあっという間だった。バークレー、オークランド、サンフランシスコは僕の好きな町になりつつある。機会があったら、是非戻ってきたい。
(留学生・30代男性)
Soup Kitchenでは、まず、毎日毎日ランチを作りつづけることに感心してしまった。ボランティアが手伝いに来るとはいえ、実質2人で行っていたようだし。
プロフェッショナル化するNPOが多いという話を聞いたが、プロフェッショナル化しようとグラスルーツであろうと、それぞれのミッションに忠実に活動しているだけなのだと感じた。
しかし、あのような無料の食事提供サービスはさぞ味もまずかろうと思っていたが、期待を裏切って(?)とてもおいしかった。アメリカっぽく缶
詰をかなり多用していたが、手作りの部分が多いのに感心した。ただ、食事を食べていた人を見ていると物によってはかなり残しており、それを捨てるのはいかがかと思った。水をただ捨てるのではなく植木にかけてあげるように注意されたが、環境という視点で言えばあのように大量
にゴミを出すのはどうかと思った。例えば、デザートのケーキをよく残していたので、それだけ希望者が自由に取るなどすればいいのにと思った。
あと、食事に来ていた人で若く服装などもしっかりした人がいたが、どういう背景で来ているのか聞いてみたかった。アメリカは現在経済が好況でサンフランシスコ市内など従業員募集の貼り紙があちこち張られているのに、対照的な光景だった。
ボランティアの経験は、その団体のミッションや運営がわかるだけでなく、少しではあるがアメリカ社会が垣間見えて良い経験だった。
また、アメリカの多文化社会についてだが、JPRNの研修を受けている間はあまり意識しなかったが、翌週市役所や多くのNPOを訪問するうちに、アメリカのNPO発展の要因になっていることを実感できた。
(公務員・30代女性)
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