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NPOと企業の評価に関するシンポジウム
JPRNが協力し、ワシントンとニューヨークで開催
   

NPO活動と企業の社会的責任への関心が高まっているが、ワシントンとニューヨークで10月初め、「NPO評価と企業評価 その 社会的責任」というテーマで、日米シンポジウムが開催された。シンポジウムには、日米のNPOと企業の関係者が出席、NPOと 企業の関係や「評価活動」のあり方などについて意見を交換した。11月には、同じテーマで日本でもシンポジウムの開催予定だ。 関係者は、今後の日本のNPOや企業の社会貢献活動の参考になれば、と期待している。  

このシンポジウムは、国際交流基金日米センターの助成を受け、パートナーシップ・サポートセンター(PSC:本部名古屋)が 日本太平洋資料ネットワーク(JPRN:本部オークランド)などの協力を受けて実施したもの。シンポジウムに先立ち、約10人の PSCの代表団が訪米。「評価」に関わる活動を行っている、全米非営利組織理事センターなどのNPOやアメリカン・エクスプレ ス、ロビン・フッド財団などを視察した。  

ワシントンのシンポジウムは、「アメリカに学んだNPOと評価」 というサブ・タイトルがつけられ、PSCの岸田眞代代表がアメ リカのNPOや企業の評価制度が日本に導入されている状況を語った。これを受け、ワシントンで企業の社会評価を行っている投 資家責任調査センターのジョン・テイラー氏は、米国における企業評価の背景と現状を説明。また、元米国日立財団のローリ ー・リーゲルブラッゲ氏は、財団での助成申請における評価活動の経験を通 じて、評価の重要性を指摘した。  

「NPO&企業の評価活動 日米比較」というサブ・タイトルのニューヨークのシンポジウムでは、アサヒビール総合食品本部環境 文化推進部のエグゼクティブプロデューサー、加藤 種男氏が基調講演に立った。経団連の社会貢献活動でもリーダーシップを発 揮していることで知られる加藤氏は、日本におけるNPO関係の法律の課題と改正論議の状況を報告。さらに、アサヒビールが NPOとパートナーシップを組む場合、NPOの事業の独創性、財源の多様さ、関係者の意志決定への参加度などを考慮していると 述べた。  

ワシントンとニューヨークのシンポジウムの司会を担当した日本太平洋資料ネットワークの柏木宏理事長は、加藤氏の発言を 受けて、アメリカのNPOの制度を整理して説明。また、アメリカのNPOのなかには、財源が政府など特定の部分から集中してい る例も少なくなく、理事会以外の人々が意志決定に参加できる可能性は通 常ほぼないことなどを指摘。しかし、政府資金に大き く依存していても、事業は独立して、社会的ニーズに対応している例も多いなどと述べた。
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