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日本の労働運動の関係者が訪米
調査や交流にJPRNが協力
   

オークランドと東京をベースに日米の草の根交流を進めている日本太平洋資料ネットワーク (JPRN)は、最近、相次いでカリ フォルニアとニューヨークを訪れた、日本の労働運動関係者の調査や交流活動に協力した。アメリカの労働運動の関係者も、日 本の労働運動の状況に関心を寄せており、訪米団との間で活発な議論が展開される場面 もあった。JPRNでは、こうした活動が 「地盤沈下」といわれる日米の労働運動が活性化される一助になれば、という期待を表明している。  

訪米したのは、コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク(組合員1万5000人)と日本労働弁護団の一行。パートや派遣、外 国人労動者らを地域レベルで組織しているコミュニティ・ユニオンの連合体の全国ネットワークは、8月下旬、一週間にわたり ロサンゼルスとサンフランシスコを訪問。労働や労働サイドに立ち、法的な権利擁護活動を続けている日本労働弁護団は、8月 下旬から9月初めまでニューヨークを中心に視察した。  

コミュニティ・ユニオンの訪米団9人は、全米の労働運動の焦点のひとつになっているロサンゼルスのニューオータニ・ホテ ルの組織化を進めているホテル従業員レストラン従業員組合の関係者やニューオータニの労働者と懇談。また、カリフォルニア 大学バークレー校産業関係研究所労働研究センターで、同センターの関係者やサンフランシスコの労働界の指導者と意見交換会 を実施した。  

意見交換会では、日本側から、パートや派遣労働者などの組織化に努力しているが、アメリカがすでに経験している大規模な リストラによる失業に加え、労働法制の改悪により、厳しい時代を迎えており、アメリカの経験から学びたいという声がだされ た。一方、組織率の低下で危機的な状況に陥っていた労働運動が再生に向かっている、という報告がアメリカ側からなされた。  

3年前にアメリカの労働組合の連合組織、AFL-CIOの指導部が変わり、移民やマイノリティ、女性などの労働者や成長著しい サービス業に焦点をしぼり、積極的な組織化を進めた結果だ。コミュニティ・ユニオンの訪米団は、組織化の推進役となってい るAFL-CIO組織化研究所(オークランド)や労働組合の組織化のバックアップ的な活動をしているロサンゼルス新経済連合など の団体も訪れた。  

こうした団体や労働運動の動きについては、JPRN柏木宏理事長の近著「アメリカ労働運動の挑戦」(労働大学発行)で詳しく 紹介されている。二団体の訪米のきっかけは、同著の内容を実際に見てみたいという考えだった。視察や交流を通 じて、参加者 からは組織化の手段や労働者の法的権利擁護の方法について多くの示唆をえた、という声が聞かれたという。

柏木理事長は、在米日本企業の労使紛争やアジア系の労動者の組織化をはじめとして、過去20年間にわたりアメリカの労働 運動に関わってきた。「JPRNは最近、日米のNPO活動の連携で知られているが、今回の視察以外にも日本での講演や執筆の依頼 が続いており、労働運動の面でも日米交流を進めていきたい」と同理事長は述べている。JPRNへの問い合わせは、電話 510-891-9045またはE-mail: jprnusa@earthlink.netまで。
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