オークランドにある民間非営利組織(NPO)、日本太平洋資料ネットワーク(JPRN)
は、日本財団の助成をえて、6月14日から第3回NPOサマー・インターンシップ&スカ
ラーシップ・プログラムを開始した。参加者は、米国にいる日本人留学生15名。10週 間のインターンシップをベイエリア周辺のNPOで行う。この他、毎週金曜日、その週
のインターンシップについて報告をするインターン・ミーティングに出席、また、NP Oに関するセミナーや日米のNPO関係者との交流会、派遣された団体についてプレゼン
テーションする派遣団体報告会などを通じて、実践的にNPOについて学ぶ。プログラ ム終了後に、参加者からのレポートをまとめ、報告書を作成し、今後のリソースとし
て活用、米国のNPOの活動を紹介する資料として利用する予定という。
16日に行われたオリエンテーションでは、まずJPRNの伊東文江さんがプログラム参加
について説明。次に各自、参加理由を述べ合った。参加者のひとり、大村久美子さん は、バージニア州のMary Baldwin
Collegeの学生でプログラム参加のためにサンフランシスコ・ベイエリアに来た。今
回の参加理由については、「NPOによる活動が盛んなサンフランシスコでアジア系の 市民に対する支援団体でインターンシップを体験したかった。また、この地域は活動
が盛んなだけでなく、私が滞在しているバージニア州とは違った経験ができるだろう と期待して申込みました。そして、サンフランシスコ・ベイエリアは、バージニア州
に比べ、アジア系アメリカ人も多いので、自分の興味のある環境を観察し勉強できる と思った」と語った。派遣先は、北カリフォルニアのアジア系アメリカ人コミュニテ
ィの基盤強化、社会的正義の実現、経済的な発展への援助を目的とし、小規模事業体 に対する援助、低所得者向けの住居の提供などを行っているAsian,
Inc。この団体のプロジェクトの住宅開発や復興、小規模事業体支援、WMBE情報セン
ターなどのアシスタントを行う。「派遣先では、いつも学ぶことがたくさんあります。 」と感想を述べた。
オリエンテーション終了後、Richmond Area
Multi-Services, Incの日本語カウンセリング・プログラムのディレクター、八木亜紀子さんによるワ
ークショップ「米国で働く」を受講。様々なケースをディスカッションして、派遣先 でのスーパービジョンの有効な使い方とインターンシップについて、多文化の職場で
働くにはどうすれば良いのかについて説明を受けた。NPOインターンシップを行うの が初めての参加者が多かったため、このワークショップを通じて、多文化・異文化の
職場でのインターンシップや働くことについての心構えを学び、有意義なインターン シップを行えるという声が相次いだ。
6月21日と7月5日には、日米のNPO関係者との交流会が行われる予定で、日米のNPOに
て働かれている人をゲスト・スピーカーとして招き、所属団体について、働いた経験 談やNPOで働くアドバイスを受けるという。セミナーは、JPRNの柏木宏事務局長によ
る「アメリカのNPO概論」、サンフランシスコ州立大学講師の石朋次さんによる「企 業と社会とNPO」、気持会のソーシャルワーカーの春海三悟さんによる「米国福祉・
医療サービスとNPO」を開催する。
また、派遣団体報告会では、今年の受入団体のAmerican Friends Service Committee,
Asian Inc., Friends of the Urban Forest, International Action Center, Japanese
Cultural and Community Center of Northern CA, Legal Assistance for Seniors,
Nihonmachi Little Friends, Nobiru-kai, Self-Help for the Elderly & Hospice,
Sierra Club, Goldman Institute on AgingとTibetan Aid
Projectについて日本語で発表する。派遣団体について、報告する準備をすることで 派遣先のスタッフと話すきっかけになったり、働いているだけではわからない派遣団
体の全体像がつかめ、更に他のインターン生との情報交換の場になる。
プログラムならびにJPRNに対する問い合わせは、電話(510)891−9045内線44の伊 東さんまたは、電子メール(fumie@jprn.org)まで。
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