1.戦時下における市民生活、特に移民への影響
2001年1月3日 戦争に反対する日米ネットワーク*

 

    

4)軍事費の増大と他の公共予算の削減、景気の悪化

APICAWのファクトシートより。

「アメリカ政府は健康保険、福祉事業の費用の7倍も軍事費に費やしている。アメリカの2002会計年度の軍事予算は前年比およそ300億ドル増加し、3175億ドルになり、前年比50%増のミサイル防衛構想に対する予算を盛り込んでいる。アメリカの全軍事費は全世界の二番目であるロシアの6倍にも上る。それに対し、健康保険、社会福祉費は434億ドルである。移民に対するこれらの費用は1996年に大幅に削減されている。」
 また、景気刺激PRの一方、経済、消費の後退で、実際に影響を受けているのは、リストラの対象になりやすい移民層、貧困層だと言える。全国では180万人がレイオフされ(2000年の3倍)、ドットコムバブルがはじけて、すでに景況が悪い状況にあったカリフォルニア州の失業率は、全米平均よりも高く、6%となっている。直撃を受けた航空、旅行業界ではサンフランシスコ・ベイエリアだけで10万人がレイオフされたとされる。また、空港の安全検査を強化すると言う理由で、検査員を米国市民だけに限り、フィリピン人などの移民系のスタッフが解雇されている。

 

5)バーバラ・リー議員の戦争反対投票と、その余波

 9月14日に米連邦議会で、報復攻撃に対し、カルフォルニア州選出のバーバラ・リー議員はただひとり反対票を投じた。これにより、リー議員は「非愛国者、共産主義者」と非難を浴びることとなったものの、ベイエリアでは、「我々の声を代弁してくれた」という賛同の意見が多く、10月21日の「リー議員に感謝する集会」(オークランド)では、3000人の支持者に迎えられた。(10月22日San Francisco Chronicleより)
 また、バークリー市議会も、アフガニスタン爆撃に反対する決議を採択し、これに対し、バークリー市内のホテルの宴会のキャンセルや、コンピュータ企業の契約破棄などの経済的ボイコットが行われたが、影響はさほど深刻ではない。(10月30日San Francisco Chronicleより)

 

6)一般市民の戦争に関しての反応

 "いろんなひととはなしてきたけど、その中でキャンパス中ブッシュの戦争をサポートしてる人、不思議に1人も知らんとって。本当に不思議、だって世論調査では10人中9人以上が支持しと書いてあるし。3万人のキャンパスに毎日おったら1人ぐらいはその9人の1人に会うハズやろ?"
----金真理、在日コリアン3世、Portland STate UNIVERSITYでの大学院生、講師、研究生

 "私はね、いまこそこうやって家庭に恵まれて幸せだけど、4つ5つのころ、おじいちゃん(発言者の父)といっしょにロシア兵が来た村にちょうどいてね。息を殺して兵隊が去るのを死体の山に隠れて何日も待ったのよ。お母さん子供だったから、もう泣いてばっかりで、おなかすいて、寒いし、おじいちゃんもつらかったやろうに。したら、赤十字がただで診療してくれるって聞いてね、おじいちゃんと山をいくつも越えて、ままのために連れて行ってくれてね。そしたら、行列が山脈を越えてできててね、みんなはだしで歩いてきてるのよ。何日間も。 本当、いまこうしてテレビでアフガンの母親たくさん見ると…(涙)…戦争とは情けないのに…あの時の2の舞のよう。もうお母さん心が痛むわ…"
---匿名、娘に朝鮮戦争体験を告白する在日コリアンの母親

 "初めてニューヨークでのアタックをね、テレビで見たとき、すかさず'あ、日本人がやったのかしら'て怖くなっちゃった。だって、もし日本人がやったら、というか、東洋人がやってたら、あたし基地で働いているし、絶対復讐とかされそうで、ほら、今もアラブの人達すごい被害受けてるでしょ。だから、犯人が東洋人じゃなくて、本当に安心しちゃったのよ。"
---匿名、フェアーフィールド空軍基地にて清掃スタッフとして夜間勤務している。アメリカ兵と結婚、渡米。現在アメリカ国民だが、未亡人となって社会的に風当たりが強くなり、初めて自分が"アメリカ人として見られていない"と感じた、という




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